二足歩行ロボット教材「e-nuvo WALK」

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近畿大学 理工学部機械工学科 准教授 原田孝先生

 1年生に対する導入教育として基礎ゼミと称する創成教育カリキュラムを実施し、 学科毎に独自の教育プログラムを展開している。創成教育とは、1学年の定員200 名の大人数の学科構成である本学において、教員1名に対して学生10名の小人数 教育体制を構築し、学生達自らの課題形成、解決からプレゼンテーションを実施 させることを基本としている。

 平成20年度よりZMP社製の二足歩行ロボット e-nuvo WALK ver. 3を導入し,基礎ゼミの新たなプログラムを準備し実施した。

2足歩行ロボット教材の選定

  1. ハードウエアの選定 「物理・力学教育にこだわる」
    機械工学の基本である物理、力学の導入教育であることを意識し、左右各6自由度の下肢のみを有するシンプルな構成であるe-nuvo WALK ver. 3を教材として選定した。
  2. ソフトウエア 「Microsoft Robotic Studio準拠」
     e-nuvo WALK3は、Microsoft Robotic Studio(MRS)に準拠し、MRSに付随する物理シミュレータであるVirtual Simulation Environment(VSE)により、コンピュータ内に構築した仮想ロボットを、現実のロボットと同じプラグラムで動作させることができる。
     ZMP社より,e-nuvo WALK 3のVSE用ロボットの力学モデルが提供されている。リンクの質量、質量中心、慣性モーメントなどの動力学パラメータを用いて、ロボットの動的挙動がシミュレーションでき、機械工学科向けの力学教育には、格好の教材である。

[ 以上、第1回「実践! ロボット教育・研究フォーラム」における配布資料(PDF)より ]


e-nuvo WALK
e-nuvo HUMANOID 教育・研究用プラットフォームとして活用いただける全長120センチの大型ヒューマノイドです。人工知能、ヒューマンインタフェース、BMI(ブレインマシンインタフェース)、ユビキタスコンピューティングなどの研究、教育に最適です。

日本工業大学 機械工学科 様

「二足歩行ロボットによる工学技術教育」を目的 としたヒューマノイドロボット工房(PC 65台、e-nuvo WALK 35台、座席数64)を整備しています。 平成17年度から始まる1年生の必修授業「機械工学実験I」、3年生の必修授業「機械工学 実験V」および選択授業「ロボット工学」「コンピュータ機械制御(2)」で、「e-nuvo WALK」と 「やってみましょうキット」を用いて、二足歩行ロボットの本格的な講義を開始する予定です。 メカトロニクスの基礎から応用までを習得するため、必修科目の「機械工学実験」では学生 一人に1台の「e-nuvo WALK」が貸出され、実験を行うことができるようになります。

機械工学科 教授 中里裕一 先生

 ヒューマノイド・ロボット工房では、e-nuvoを35台を導入し、授業でメカトロニクス関連の授業を中心に使用させて頂いています。特に、入学したての1年次から「学生1人に1台」の授業を実施し、全員が二足歩行ロボットを体験できるようにカリキュラムを組んでいるのが特徴です。低年次から関連分野の応用技術に触れさせ、興味を喚起するとともに、メカトロニクスだけでなく、その応用技術を支える基礎科目や教養科目の必要性や重要性を認識させることが可能になりました。ZMP社は技術的なバックボーンがしっかりしており、メンテナンスやバージョンアップにもしっかり対応して頂けるので、安心して使用させて頂いております。

機械工学科 増本憲泰 先生

 大学で学んだことは学生の卒業後の人生に多大な影響を与えます。学生が企業の最前線で 活躍するようになる15年後、20年後の社会を思うとき、主流となっている産業は予想 できません。ロボット産業が主流になっている可能性はありますが、確証はありません。 しかし、ロボット技術をひととおり修得しておけば、どのようなものづくりにも適応可能 でしょう。総合技術であるロボット技術を学ぶのはロボット技術者になるためばかりでは ないのです。また、これまでごく一部の研究者のみが対象としていた2足歩行ロボットを 大学の1年次から手に触れ、動かすことができる。このようにしてロボット技術が徐々に 生活の場へ吸収されていけば、真に求められるロボット像が日常の暮らしの中から見えて くるのではないでしょうか。2足歩行ロボットを通して、技術的な思考訓練にとどまらず 社会的な思考訓練をも行うことができると思います。

東洋大学 工学部機能ロボティクス学科 様

 平成17年度より、新学科「機能ロボティクス学科」が開設されます。 従来、各学科に分断されていたロボティクスという学問を、 「メカトロニクス分野」「知 覚情報処理分野」「人工生命分野」に分類し、 体系的に学べるカリキュラムが魅力です。 e-nuvo2 20台と「やってみましょうキット」を用いて、 「メカトロニクス」「機能ロボティクス実験」「プロジェクト研究」の授業等で、 二足歩行ロボットを構成するメカトロニクスの基礎を学習します。

機能ロボティクス学科 教授 松元明弘 先生

 従来、機械工学科およびコンピュテーショナル工学科の学生向けに 3年次に「メカトロニクス」の授業を担当していますが、 メカトロニクスは、機械、電気、コンピュータのさまざまな知識を同時に扱うので、 授業だけでは学生たちも実感がないようで、結果として理解が進みません。 今回、機能ロボティクス学科という学科を立ち上げることになり、 メカトロニクスはロボット技術の大きな柱ですから、 メカトロニクス関係の実験や演習を強化できることになりました。 講義でも実験・演習でも使えるようなメカトロニクスキットを探していたところ、 芝浦工業大学の水川教授の薦めもあり、この製品を採用しました。 ロボットへの一般的な興味をメカトロニクス技術という 基礎技術の修得に向けさせるのに適していること、 テキストがよく整備されていて独習も可能であること、などが採用の決め手でした。 新しい学科はこれから発足しますので、授業でこのキットを使う段階にはまだ至っていませんが、 このような学習教材で勉強した学生が確かな技術を身に付けてくれるものと期待しています。

名古屋大学 大学院工学研究科機械理工学専攻 様

大学院工学研究科機械理工学専攻 稲垣伸吉 先生

 名古屋大学集積機械工学講座では、振動子モデルによる歩行ロボットの制御法を構築することを目的として、多脚歩行ロボットを用いた実験をしております。二足歩行ロボットへの理論の拡張を目指し、e-nuvoを採用しました。 採用理由は、(1)API関数群により、PCで自由にプログラムできること、(2) 状態をPCでリアルタイムにモニタできること、(3) CANバスにより、ハードウェアの拡張性が高いこと、(4)専用DCモータにより、ラジコン用サーボモータより自由度の高い制御が可能なこと、です。サポートにも満足しており、研究用プラットフォームとして、より多くの研究者に利用されることを期待します。

高知職業能力開発短期大学校(ポリテクカレッジ高知) 様

 ポリテクカレッジでは、実践技術者(テクニシャンエンジニア)の育成を目指した 2年間の「ものづくり」教育を行っています。 電子技術科では、学生が興味を持って学習できる素材として、二足歩行ロボットに 着目し、e-nuvoを用いた実践的な技術者教育を目指しています。

電子技術科 講師 下釜洋一 先生

 ロボット制御には、電子技術科の学生が学習するうえで必要とするマイコン制御や センサ回路などの電子回路等、たくさんの要素を含んだ技術・技能が盛り込まれています。 本校ではこれまでも学生が簡易的な自立型ロボットを製作し、ものづくりを通して 、これらの要素を楽しく学習してきました。 これからは、「e-nuvo」を用いて基礎要素を学習し、さらに発想豊かな2足歩行ロ ボットの製作へチャレンジしてくれることを期待しています。

松江工業高等専門学校 電子制御工学科 様

電子制御工学科 戴鳳智 先生

 電子制御工学科では、電子・制御などの分野を勉強する目的として、平成17年度から3年生の電子制御工学実験にて、e-nuvoを活用した「二足歩行ロボットの基礎」という実験を開始しました。最先端技術からなるロボットを制御できることで、学生の満足度の高い実験になりました。また、藤原―戴研究室では、5年生と専攻科生が、e-nuvoを活用した研究をしています。付属の教科書でロボットの基礎知識を学習することができ、歩行ロボットの研究を進めた結果、専攻科生による「受動歩行を利用した歩行ロボットの試作」が、2006年3月の日本経営工学学会「研究発表賞」を受賞しました。

埼玉県立熊谷工業高等学校 様

 平成17年度より、県立高校特色化企画事業「企業型環境で育む先端技術者の育成事業」として、電気科・機械科・情報技術科の3科で「二足歩行ロボット」の共同研究を開始します。 3年生の「課題研究」で「e-nuvo」と「やってみましょうキット」を用いて、ロボットを構成する「電気工学」「機械工学」「情報システム」の分野を効率よく学習します。

電気科 高橋茂 先生

 昨今、「電気」「メカ」などの単一的な技術だけでは社会に通用しないと言われています。企業においては研究開発の過程で、多くの技術者の知恵や技術が融合し、より良い商品が世に送り出されています。この企業型環境を教育現場に構築することで、「二足歩行ロボット」の共同研究を通し、生徒同士が色々な技術に触れ、刺激しあうなかでマルチ技術者の育成を目指しています。「ロボット工学」は工業高校生にとって敷居の高い分野ですが、基礎から応用まで学べる学習プログラムや適切な実験テーマで構成されている「実習カリキュラム教本」を用いて、新たなロボットを想像から創造できる「ものづくり」を主体とした学習の実現に期待しています。

サイバネットシステム株式会社 様

 2足歩行ロボットのモデルベース開発事例として、MATLAB®/Simulink®で、制御対象(e-nuvo)の物理モデルを構築し、制御系の評価・検証をしています。機構系はSimMechanics、DCモータ等の電気系はSimPowerSystems、モータ制御器はSimulinkを用いてモデリングすることで、Simulink上でe-nuvoの力学特性を評価できます。また、SILS(Software In the Loop Simulation)環境で評価されたモータ制御器は、Cコードの自動生成機能により、e-nuvoのモータドライバに、そのまま適用できます。e-nuvoは、電気系と機構系の分離した明確なシステム構成のため、このようなモデリングに適した題材であると思います。

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