自動運転・ADASを知る

ADAS(先進運転支援システム)における車載ECUの役割と求められる性能

ADASにおいてECUは重要な役割を果たします。多くのECU(Electronic Control Unit)が自動車の電子制御技術の進化に伴い、搭載されていますがここではADASに活用されるECUの特徴、種類などについて解説します。

1. 車載ECUとは

ECUとは、Electronic Control Unitを意味しており、システムを電子回路を用いて制御する装置(ユニット)の総称のことで、主に自動車に搭載されるものを指しています。
ECUという単語は、Engine control unitも示す場合もありますが、ここではElectronic Control UnitとしてECUという単語を取り扱っていきます。現在の自動車には多い場合には100個超のECUが搭載され、各自動車メーカーが誇る様々な先進技術の制御をつかさどる重要な部品となります。
このECUは、エンジンやシャシー制御などのコアの制御だけでなく、ヘッドライトやカーステレオ、エアコンなどの電気機器類の制御にも電子制御コントローラが用いられており、自動車の電動化・自動化を支えています。

昨今では、緊急ブレーキシステム、車線維持システム、車間距離制御システムなどのADAS(先進運転支援システム)などにも電子制御するコンピューターがECU(Electronic Control Unit)が搭載されています。

また、これから自動運転車両の開発が進み、これまでのECUの処理スピードや放熱性能また省電力性能を向上させたECUの開発が求められています。

2.ADAS ECUとは

ADASのECUでは、各種の予防安全運転支援の各機能(前車追従走行、レーンキープアシスト、後側方警報、被害軽減ブレーキ等)の対象認識、状況評価、制御判断機能を有した統合ECUが求められます。より高速で確実な処理のため、ECUに最適化された出力を発信するセンサー(カメラ、ミリ波、LiDARなど)の認識、ECU用に開発されたアルゴリズム、車両制御に合わせた結果の出力が必要です。

また、開発中のADAS制御においては、なるべく実際のECUに近い環境(組み込み制御)などでセンサーの信号処理や動作確認が出来る開発用ECUが求められます。

このECUでは、開発中のアルゴリズムをRAMなどに書き込み、仮想ECUとして使うことができる製品やサービスが市場では提供されておりま

3.車載ECUの種類

車載のECUにおいては、車特有の環境への対応も求められますが、ADAS用途においては、それに追加して様々な要求への対応が必要です。
車載ECUの種類は、接続するセンサーにより求められる要求が異なります。下記ではその種類をいくつかご紹介いたします。

3-1.センサー(ミリ波、ソナーセンサー)を用いたECU

上記は現行のECUで運転支援を行っており、経済性と制御性を実現したECUです。センサーの出力は距離のデータやIDが付与された物票データとなり、比較的シンプルなアルゴリズムが搭載されます。現在でもリヤトラフィックアラート、ACC(Adaptive Cruise Control System:アダプティブクルーズコントロール)などのECUとして活用されています。

3-2.カメラを用いたECU

最近のADAS支援では、単眼カメラとミリ波を組み合わせたり、ステレオカメラで周辺の環境を認識する制御などが存在し、画像処理を行うことができるECUも存在します。
これまでのソナーセンサー、ミリ波センサーのように車両の周辺情報を線でとらえるのではなく、面でとらえることが、カメラにより実現しました。

その背反として、カメラの画像を処理する為のCPUや処理チップの性能が求められたり、消費電力の増加などがあるようです。また、処理時に熱が発生する為、画像処理用のECUには、排熱用のフィンなども設計要件として求められるケースがあります。

また、近年のカメラを使ったADAS開発においては、ステレオカメラ“アイサイト”を使った運転支援などが注目を浴びていますが、新しい手法としてディープラーニング(深層学習)を使った画像認識技術が様々開発されています。

この認識には学習データとなる画像を増やせば増やすほど、認識精度を大幅に向上させることが可能です。そのデメリットとして、深層学習に使う(画像処理プロセッサー)は消費電力が大きいため、電動化に向かう自動車においては走行距離が低下してしまうなどの懸念があります。今後の課題として、消費電力の低減・計算負荷の軽減が求められています。

3-3.LiDARを用いたECU

3つめのECUの種類として、LiDARを使ったADASのECUが開発されています。LiDARとはLight Detection and Rangingの略称で光や太陽光などの外乱に強いことから、次期のセンシングデバイスとして開発されています。

この特徴としては、光を飛ばして、その距離を複数点で計測できる為、ミリ波やソナーセンサーよりも多くの情報が収集でき、カメラの画像よりもデータ処理の負荷が軽く抑えられる傾向にあります。単純な物体や障害物の有無を検出するのであれば、ある一定方向の距離をセンシングすることで制御に反映することは可能ですが、点群の認識となると、カメラの認識と同様のプロセスが必要となります。

しかしLiDARの場合には、認識をする為に検出したい対象物の正解データ(教師データ)が必要です。正解データとは、認識をしたい対象をとらえた際の点群の形状データとなります。そのデータを参考にし認識アルゴリズムを作成します。カメラに比べると計算処理の負荷は低下すると思われますが、カメラよりも情報量が少ない中で、認識結果の精度とカメラ同様の計算処理の負荷を作成することがLiDARを用いたECUにも求められることになります。

 上記のカメラやLiDARを使ったECUの開発においては、ディープラーニングによる画像認識機能を備えた車載AIコンピューターの開発を巡って、開発競争が行われています。その筆頭には、米半導体メーカーのエヌビディア、半導体最大手の米インテルがおり、そこに国内メーカーとしてはデンソーと東芝がタッグを組み、低消費電力型のAIコンピューターの開発を行っています。

4.ADASにおけるECUの役割

ADASにおけるECUの役割としては、外部のセンシング結果を受けて誤認識を避け、高速に処理を行うことが求められます。
処理スピードも自動車の制御になると100Hzレベル以上の処理スピードが必要となります。実際に100km/hで走行している時には、例えば100Hzで処理をしたとして、処理間(0.01秒)で30cm進んでしまうため、安全に運転を支援するためには高速な処理が求められます。

開発における課題として、ミリ波レーダー、LiDAR(ライダー)、超音波(ソナー)センサ、レーザーなどの多様なセンサーのセンシング結果とカメラ(ビデオ)ベースのシステムから得られる膨大なデータの視覚化と演算スピードの高速化、処理アルゴリズムの簡易化、またその出力結果の妥当性、新制御の実走行検査や検証が必要です。

下記でもご紹介いたしますが、ZMPでは自動運転の制御開発プラットフォームとしてIZACを提供し、PCをベースとし、様々なセンサを搭載した際の、アルゴリズムの開発や検証が行えます。また、開発したアルゴリズムやセンサーの検証の為に活用可能な走行テスト代行(走行テスト外注)サービスがあります。

5.ZMPのECU開発関連製品について

ZMPでは、自動運転やADAS開発を支援する開発環境として、自動運転開発プラットフォームIZACやハードウェアとして自動運転開発車両RoboCarシリーズを販売、お客様の開発の支援を行っております。また、ドライバーによるデータ計測、テスト走行サービス、RoboTest(ロボテスト)というサービスを提供しております。

詳細については下記をご覧ください。

5-1.自動運転・ADAS開発プラットフォーム用コンピューターIZACについて

IZACにおいては、車載PCをベースにし、様々なセンサ(車両CANデータ、カメラ、GPS,ミリ波、LiDAR、ステレオカメラ)を接続が可能で、その信号を開発環境に取り込むことが可能です。ZMPの自動運転制御開発の開発環境としても活用されており、センサーフュージョン開発の負荷を低減し、ADAS・自動運転のアルゴリズムを効率的に開発・検証できる製品です。

実行開発環境では、センサーデータを取得してログに記録し、そのデータを再生してスティミュレーションに利用できる、シミュレーションツールも準備しています。その際の、センサーデータとアルゴリズム による解析結果は、設定次第で俯瞰視点での結果表示画面および画像上に明瞭に表示しながら確認できます。

詳細につきましては、IZACの製品ページをご確認いただければと思います。

IZAC
自動運転・ADAS開発プラットフォーム用コンピューターIZAC

5-2.自動運転開発プラットフォームRoboCar について

自動運転開発車両のRoboCarシリーズは、プログラムから車両へ操作量を指示することで動かすことのできるハードウェアプラットフォームとなっております。その為、開発した制御アルゴリズムを使って、実際の車両がどのように動くかといった検証や上記の制御ソフトウェアを使って作成したプログラム(アルゴリズム)の確認に活用いただける製品となております。車両のタイプやラインナップについては、RCカー(ラジコンカー)サイズのものから、1人乗りの電気自動車、ミニバンタイプの車両やSUVタイプのものまで用途や要望に応じた選択可能なラインナップを用意しております。

RoboCar SUV
市販SUV車両をベース 自動運転車開発プラットフォーム
RoboCarMiniVan
RoboCar MiniVan
市販ハイブリッドミニバンベース 自動運転車開発プラットフォーム
RoboCar MV 2
一人乗り電気自動車ベース 自動運転開発プラットフォーム
RoboCar 1/10
RoboCar 1/10
ラジコンカータイプのプログラム制御可能なプラットフォーム

5-3.走行データ取得ソリューションRoboTestについて

本サービスでは、ADAS向けに開発したセンサーやECUを搭載して、実際に市場(公道)を走行した際の動作や検出結果(認識結果)を取得できるサービスとなっております。

サービス中では必要なセンサーを車両に搭載し、リファレンスセンサーなどを搭載した状態で走行もでき、最新のADASセンサーの検証走行などにご活用いただけます。サービス詳細については、製品ページをご確認いただければと思います。

RoboTest
RoboTest
走行データのシステム構築&計測をサポート

6. お問合わせ、資料請求

上記に関する問合せ、資料請求などについては下記よりご連絡いただければと思います。
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