2 どんな場所で走行テストが行われるのか?
次にどんな走行テストがあるのかを説明していきます。
走行テストを行う場所は、大きく3つに分類されます。
1つめがクローズドなテストコースでの走行テスト、2つめが施設内での走行テスト、3つめが公道での走行テストとなります。
2.1 テストコースでの走行テスト
テストコースでの走行テストも、3つに分類され、ドライバーが走行するテストとロボットが走行するテストそして自動運転技術を活用したテストの3つのタイプがあります。
2.1.1 ドライバーが走行するテスト
ドライバーが走行するテストについては、テストコースに存在する様々なコースを走行します。
その種類としては、オーバルコース、水平路、悪路、冠水路、低μ路、未舗装路といったコースが存在します。
また、このテストコースは世界各地、日本でも北は北海道から南は鹿児島など、走行する環境を模擬するために様々な場所に各メーカーがテストコースを所有し、試験を行っています。
このテスト走行を行ために、テストドライバーという職業があるぐらいであり、その試験の量は、環境条件(気温、天候、気圧等)と試験の種類と車種などの掛け算でパターンが必要となるためその量は膨大な量になります。
ADAS開発におけるのドライバーによるテスト走行
特に、ADAS開発におけるドライバーによるテスト走行では、今後の技術トレンドやこれからのユーザーからで求められるような運転支援のシナリオに沿って、走行シナリオを決めてドライバーが走行します。
特にADASの機能開発においては、疑似的に街を再現しているようなテストコースや教習所のように交差点や信号があるようなコースで行われることが多いです。
また、ADASの機能開発においては、緊急ブレーキや障害物回避、警告の通知など機械(コンピューター)がドライバーの運転に介入するため、人の感性も重要な要素になるため、ドライバーによる走行テストや制御介入に対してのチューニングも必要となります。
2.1.2 ロボットを使った走行テストについて
上記のドライバーによるテスト走行でも少し触れたように、走行テストには様々な条件とコースでの走行があり試験評価が膨大に存在します。その試験を効率的に安全に進めるためにも、ロボットを使った走行テストが開発されてきました。
ロボットを使ったテストコースでの走行テストとしては、車両自体を動かすためのロボットと試験環境を構築するためのロボット等が活用されています。
ADAS開発におけるロボットを使った走行テスト
ADAS開発におけるロボットを使った走行テストでは、試験で衝突しても車両にダメージがないようにするためのバルーン型の車を使ったケースやダミー人形を動かせるロボットを使い、疑似的に交差点や道などを走らせて、飛び出しや道路横断などの車両周辺の交通環境を再現するケースがあります。
ダミーのロボットを使ったテストは、乗車しているドライバーや車両が衝突時に大きく壊れることがないため、新しいADASのアルゴリズムの開発や開発したADASセンサーの動作確認や検証に活用されます。ADAS技術開発ではAB Dynamicsのロボットなどが有名です。
図 AB Dynamicsの歩行者モデル、自転車モデル移動ロボット
また交通環境を再現するための車両型や人型のロボット以外にも、ハンドルやステアリングなどを機械的に操作し、車を実際に自動で制御するロボットを使った走行テスト方法もあります。
実車の自動運転走行用ロボットでは、ハンドル・ブレーキ・アクセル・クラッチ・シフトギアを制御できるタイプもあり、その用途としては急ブレーキ、衝突、横転等のテストドライバーが危険にさらされるような試験において活用されたり、耐久走行などのように決まったパターンを走行するケースがあります。
図 ステアリングロボットを活用した開発について
走行の制御においては、操作量を記憶させた再現走行やGPS を使い自己位置を推定し制御を行っているようです。
2.1.3 自動運転技術を使った走行テストについて
自動運転技術を使った走行テストは、まだ一般的ではありませんが、人件費の削減、省人化、試験の効率化や再現性の高さよりニーズは高まっております。
現在、下記のようにZMPでは自動運転技術を使った走行テスト支援を行っております。
ZMPではプログラムにより走行可能な車両RoboCarを活用し、繰り返しの走行試験や耐久走行を自動化する技術支援を提供しております。
その例として、ブリヂストンと自動運転車両によるタイヤ性能試験を行っており。自動運転による再現性の高さが評価されプロジェクトとして取り組んでいます。
取り組みの概要については下記をご確認いただければと思います。
上記のような取り組みについては、下記サービスを通じてご提供可能です。
ロボットや移動体の自律移動や自動運転化を検討している方は一度ご相談いただければと思います。