自動運転・ADASを知る

ADAS(先進運転支援システム)における走行テストについて

ADAS機能の安全を担保するために、開発中においては様々な試験が必要になってきます。

ADASの利用が想定されるシーンで安全に運転を支援するために、どんなセンサーが必要でどんな制御が必要なのかを検討するうえで、実車での走行テストや制御に必要なセンサーを搭載した様々なデータ計測が求められます。

走行テストは研究・開発・量産のどのタイミングにおいても、クルマ作りでは大変重要で欠かすことのできない工程です。

ここではADAS開発における走行テストの必要性やテスト走行の場所やテストの種類、走行テストサービスについて説明いたします。

1 なぜ走行テストが必要なのか?

そもそもADASとは何かをまず説明していきます。

ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems,先進運転支援システム)とは、ドライバーの安全・快適を実現するために自動車自体が周囲の情報を把握し、ドライバーに的確に表示・警告や、ドライバーに代わって自動車を制御するなどの運転を支援する機能の総称であり、人間による自動車事故を防止するために開発されている技術です。

ADASでは様々なセンサーを使って運転支援がなされますが、 センサーの誤検知などによって意図しないところで支援されてしまい事故につながると言ったことは、絶対に避けなければなりません。
そのため、クルマが設計・製造され工場から出荷されるまではテストコースでの走行試験や最終的には市場での走行テスト(検査走行)が大変重要になります。

また、量産車両に搭載される場合は、耐久性の確認も併せて非常に大切な要素となります。
そのためテストコースでの耐久走行やシャシダイなどの専用設備での繰り返し試験が行われています。

下記では、走行テストの種類や開発フェーズにおける走行テストの位置づけ、また走行データに関するサービスについて紹介していきます。

2 どんな場所で走行テストが行われるのか?

次にどんな走行テストがあるのかを説明していきます。

走行テストを行う場所は、大きく3つに分類されます。
1つめがクローズドなテストコースでの走行テスト、2つめが施設内での走行テスト、3つめが公道での走行テストとなります。

2.1 テストコースでの走行テスト

テストコースでの走行テストも、3つに分類され、ドライバーが走行するテストとロボットが走行するテストそして自動運転技術を活用したテストの3つのタイプがあります。

2.1.1 ドライバーが走行するテスト
ドライバーが走行するテストについては、テストコースに存在する様々なコースを走行します。

その種類としては、オーバルコース、水平路、悪路、冠水路、低μ路、未舗装路といったコースが存在します。

また、このテストコースは世界各地、日本でも北は北海道から南は鹿児島など、走行する環境を模擬するために様々な場所に各メーカーがテストコースを所有し、試験を行っています。

このテスト走行を行ために、テストドライバーという職業があるぐらいであり、その試験の量は、環境条件(気温、天候、気圧等)と試験の種類と車種などの掛け算でパターンが必要となるためその量は膨大な量になります。

 ADAS開発におけるのドライバーによるテスト走行
特に、ADAS開発におけるドライバーによるテスト走行では、今後の技術トレンドやこれからのユーザーからで求められるような運転支援のシナリオに沿って、走行シナリオを決めてドライバーが走行します。

特にADASの機能開発においては、疑似的に街を再現しているようなテストコースや教習所のように交差点や信号があるようなコースで行われることが多いです。

また、ADASの機能開発においては、緊急ブレーキや障害物回避、警告の通知など機械(コンピューター)がドライバーの運転に介入するため、人の感性も重要な要素になるため、ドライバーによる走行テストや制御介入に対してのチューニングも必要となります。

2.1.2 ロボットを使った走行テストについて
上記のドライバーによるテスト走行でも少し触れたように、走行テストには様々な条件とコースでの走行があり試験評価が膨大に存在します。その試験を効率的に安全に進めるためにも、ロボットを使った走行テストが開発されてきました。

ロボットを使ったテストコースでの走行テストとしては、車両自体を動かすためのロボットと試験環境を構築するためのロボット等が活用されています。

 ADAS開発におけるロボットを使った走行テスト
ADAS開発におけるロボットを使った走行テストでは、試験で衝突しても車両にダメージがないようにするためのバルーン型の車を使ったケースやダミー人形を動かせるロボットを使い、疑似的に交差点や道などを走らせて、飛び出しや道路横断などの車両周辺の交通環境を再現するケースがあります。

ダミーのロボットを使ったテストは、乗車しているドライバーや車両が衝突時に大きく壊れることがないため、新しいADASのアルゴリズムの開発や開発したADASセンサーの動作確認や検証に活用されます。ADAS技術開発ではAB Dynamicsのロボットなどが有名です。

図 AB Dynamicsの歩行者モデル、自転車モデル移動ロボット
また交通環境を再現するための車両型や人型のロボット以外にも、ハンドルやステアリングなどを機械的に操作し、車を実際に自動で制御するロボットを使った走行テスト方法もあります。

実車の自動運転走行用ロボットでは、ハンドル・ブレーキ・アクセル・クラッチ・シフトギアを制御できるタイプもあり、その用途としては急ブレーキ、衝突、横転等のテストドライバーが危険にさらされるような試験において活用されたり、耐久走行などのように決まったパターンを走行するケースがあります。
図 ステアリングロボットを活用した開発について
走行の制御においては、操作量を記憶させた再現走行やGPS を使い自己位置を推定し制御を行っているようです。

2.1.3 自動運転技術を使った走行テストについて

自動運転技術を使った走行テストは、まだ一般的ではありませんが、人件費の削減、省人化、試験の効率化や再現性の高さよりニーズは高まっております。

現在、下記のようにZMPでは自動運転技術を使った走行テスト支援を行っております。

ZMPではプログラムにより走行可能な車両RoboCarを活用し、繰り返しの走行試験や耐久走行を自動化する技術支援を提供しております。

その例として、ブリヂストンと自動運転車両によるタイヤ性能試験を行っており。自動運転による再現性の高さが評価されプロジェクトとして取り組んでいます。

取り組みの概要については下記をご確認いただければと思います。


上記のような取り組みについては、下記サービスを通じてご提供可能です。
ロボットや移動体の自律移動や自動運転化を検討している方は一度ご相談いただければと思います。

MaaS(Mobility as a Service)
向け自動運転活用サービス
自動運転を活用したモビリティーシステム提供支援
自動運転技術を活用した製品・サービス支援
自動運転技術を活用した
製品・サービス支援
自動運転技術を活用した開発支援サービス
 
RoboCar MiniVan 公道実験支援パッケージ
RoboCar MiniVan
 公道実験支援パッケージ
自動運転車両を用いた公道走行
実験支援&実証実験をサポート

2.2 施設内での走行テストについて

2つ目に、テストコースだけでなく施設内での走行テストについて説明します。

様々な条件での走行テストを効率的に行うために、設備を使った走行テストを行うケースもあります。

その例として、シャシーダイナモメータを使った試験や加振機を使った試験などがあります。設備を使うことにより、設備専用の機械を使って試験の自動化や繰り返し試験などを行うことができ、耐久性の評価には欠かせない走行テストとなっております。また、ドライバーの走行テストでは計測が難しいような風洞を使った試験や排ガス計測なども行われています。

 ADAS開発における屋内での走行テスト
屋内の走行テストの新しい取り組みとして、ADASの機能を評価するために雨や環境の明るさ等の自然環境を変更して試験出来る施設でのテストが行われています。株式会社デンソーにある自然環境試験棟というテストコースがあります。

本試験棟の最大の特徴は、夜間と雨天を再現できる点があります。
交通事故総合分析センター(ITARDA)によると、歩行者死亡事故の約7割が夜間に起こっており、晴天に比べて視界の確保が難しい雨天時も、事故を起こしやすい傾向があります。

こうした事故リスクの高い状況でも、きちんと自動ブレーキなどADAS(先進運転支援システム)が機能するように、この試験棟で性能を評価できる施設です。
全長200mで幅10mの直線コースを屋内に備え、環境の再現性を確保した状態で試験車両を走らせることが可能になっています。

このような大規模な設備はなかなか保有は難しいかもしれませんが、今後も環境条件を変え、実車が走行できるような施設は必要になってくると考えられます。


2.3 公道での走行テストについて

最後に、公道でのテスト走行について説明していきます。

公道での走行テストの一番の狙いは、お客様の走行環境で様々な走行シーンのデータ収集や動作実績データ集めることです。

しかし、公道での走行テストの位置づけや目的は開発フェーズにより異なってきます。

各フェーズにおける走行テストの狙いのイメージについて下記にて説明していきます。

2.3.1 研究フェーズ

研究フェーズにおいては、様々なセンサーを取り付けて走行したデータを取るニーズが高いです。

例えば、ドライバー挙動についての研究では、 ドライバーの挙動や動きを見るためのモーションセンサーや疲労度や集中度、感情を分析するための脳波センサーやドライバーモニタリングカメラを搭載して走行します。
また、新興国などを交通環境を把握するため走行中の車の周辺情報を把握するためライダーやリファレンス用のセンサーなどを搭載し走行するパターン等が計測例としてあります。

研究フェーズに置いては、様々なデータを網羅的に計測し、どのセンサー信号やパラメータがADASを行うためのトリガやパラメータとなりうるか、その関連性や相関を調査するなどの目的で走行テストが行われたりします。

2.3.2 開発フェーズ

開発フェーズにおいては、試作開発中の新しいセンサーの評価や他社のセンサーのベンチマーク比較、また搭載しているセンサーや追加のセンサー、車両の運転情報から運転支援を行うシーンの割り出しやその支援タイミングや必要性の検討のため、様々な条件や場所で走行データを計測します。

また、開発技術の妥当性を確認するため試作したセンサーやアルゴリズムを搭載し市場での実験走行を行うこともあります。

その際には走行エリアや条件も多岐にわたり、市街地や高速道路、郊外や渋滞時の走行など様々な走行シーンでの検証を行います。
また場合によっては日照条件や時間帯、舗装路と未舗装路など路面、タイヤ状態等の条件を変え、様々な角度からデータを計測するケースがあります。

2.3.3 量産フェーズ

量産フェーズにおいては、新車販売される工場出荷前の車両が市場において、開発した技術や部品、センサーの動作や機能性を検証します。
また、このフェーズではADASの機能だけでなく燃費や車両の挙動、エンジンや走行音、などといった性能や感性に影響する要素も確認が必要です。

あらゆるシーンでの動作を網羅的に確認するため、計測車両を複数台準備して全国や世界各地を走行しデータを計測するケースがあります。

3 走行データの取り扱いについて

最近では、ADASや自動運転機能の発展に伴い、自動車に搭載されるセンサーや制御が増加しており、そのため評価のためには様々なセンサーやカメラなどの計測装置を搭載する傾向にあります。

そのため、計測データの量も増加していきます。より効率的な開発を進めるためには、開発で必要な走行データをいかに集めて分析するかが重要となってきます。

ADAS開発における走行データの種類やトレンドについては「ADAS(先進運転支援システム)における走行データについて」にて解説を行っておりますのでそちらも参照いただければと思います。

4 ZMPにおける走行テストサービスについて

走行テストにおいてはどの開発フェーズにおいても対応可能な走行データ取得ソリューションと計測後のデータの解析作業を効率化するサービスがございます 。

詳細については下記をご覧ください。

4.1 走行データ取得ソリューションRoboTest(ロボテスト)

走行データ取得ソリューションRoboTest(ロボテスト)は、走行データ計測に必要な計測車両やロガーのセットアップ走行テストのドライバーやその日程管理、走行テスト中の車両の整備や車検更新などといった、走行テストに必要な作業を一貫して対応可能なサービスです。

またもうひとつの特徴として、お客様の走行テストの仕様計画、要件検討するフェイズから ZMP のエンジニアが共に計画や仕様の検討をサポートし、これまでの走行テストのノウハウや知識を活かしてお客様に必要な走行テストを実施できるように支援をいたします。

サービスの詳細については製品ページをご確認いただければと思います。
RoboTest
RoboTest
走行データのシステム構築&計測をサポート

本サービスの事例として、
 ・新興国での走行パターン把握のため、足回りに加速度ピックを搭載し、振動や衝撃がどれぐらい発生しているかといったテスト
 ・標識認識のため、欧州30ヶ国以上を脱着可能なロガーを搭載して走行
 ・日産、トヨタ、ホンダのような自動車メーカーから次世代のADAS技術開発用のデータ計測のため全国高速走行

といったような依頼やご要望をいただいております。
その他の計測に対するご要望につきましては一度お問い合わせいただければと思います。

4.2 データ分析・解析プラットフォーム RDP(ロボデータプラットフォーム)

ロボデータプラットフォームでは走行テストで取得した膨大な走行データの解析をサポートするサービスです。 データプラットフォームではデータ解析環境を提供しその中には走行シーンを分けるタグ付けサービスや Deep Learning 技術を使った画像認識結果を出力します。また、プラットフォームの環境においては、お客様独自のアルゴリズムを実装することも可能で企業や部署内で共通した解析ツールを活用し、部署独自で開発した解析ソフトの乱立を防止し、効率的にデータの解析作業を行えます。

詳細については製品ホームページをご覧いただければと思います。
RDP(ロボデータプラットフォーム)
計測データを任意に解析・分析できる環境を提供

その他の走行データ取得ソリューションRoboTestのサービスメニュー

ZMPでは、走行テスト・走行試験の請負・代行サービスとして、様々なサービスメニューをラインナップ。お客様のニーズに合わせた対応をいたします。
サービスの一例につきましては下記を参照いただければと思います。

5 お問合わせ、資料請求

上記に関する問合せ、資料請求などについては下記よりご連絡いただければと思います。
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