自動運転・ADASを知る

自動運転に関する基本情報

Autonomous Driving(自動運転)の基本情報として、自動運転の歴史や自動運転のレベル、自動運転の法整備について解説します。また、自動運転の実用化時期やZMPの自動運転のアプローチについても説明します。

目次

本ページでは、下記項目について説明を行っております。ページ閲覧時にご参照いただければと思います。

1. 自動運転とは?

自動運転とは、「乗り物や移動体の操縦を人の手によらず、機械が自立的に行うシステム」を意味しています。航空業界ではオートパイロットという機能が導入され、船舶・ヨット・自動車等にも導入が進んでいます。

最近では自動車業界を中心に、自動運転の記事を見かけることも少なくありません。

自動運転が実用化されれば、自動運転車が事故や渋滞を減らし、運転手が操作することなく目的地に連れて行ってくれる、安全で快適な移動手段として活用される技術です。現在、多くのクルマにその自動運転の一部の機能が搭載されはじめ販売されています。交通環境と調和しながら進化してゆく自動運転技術。

ここでは導入として、自動運転の歴史や、現在業界内で定義されている自動運転の制御レベル、法整備状況等について、ご解説していきます。

2. 自動運転の歴史

ロボットや移動体の自動化への研究は、古くから続いています。
1900年代、自動車が一般でも使われ始めた頃から「自動車を自動運転化にする」という考えが出ていたようです。

日本では道路を走ることを想定して作られた自動運転車が、1977年につくばの機械技術研究所の津川定之教授らによって開発されています。1980年にはドイツのメルセデスも勢力的に自動運転技術の開発に取り組んでいます。

その後も各大学で自律移動について研究が行われ、2004年にはDARPA(国防高等研究計画局)主催の自動運転車コンテスト『DARPA Grand Challenge』が開催されました。

ZMPでも、従来二足歩行ロボットや家庭用エンターテイメントロボットを設計・販売していましたが、今後ロボット技術が活用され、社会的にも求められる自動運転技術の開発に舵を切りました。

ZMPでは2009年に最初のロボットカーである「RoboCar1/10」を販売開始、
2010年にはGoogleが自動運転の研究を発表、その後、実車タイプのロボットカー「RoboCar HV」「RoboCar Minivan」を発売しました。

現在は自動車メーカーやITメーカー、ベンチャー企業の各社が自動運転車両の実用化を目指して開発に取り組んでおり、開発競争が激化しています。

ZMPでは2013年に開催されたTOKYO MOTOR SHOWではRoboCarの試乗会を実施し、その後はガイドラインに従い、公道での実証実験を開始。2020年、自動タクシーサービス開始に向け、開発を推進しています。

3. 自動運転のレベルや定義

SAE(Society of Automotive Engineers)や日本語参考訳である JASO TP 180043 (2018 年 2 月)の定義によるレベル分けを基にご説明します。

SAE(Society of Automotive Engineers)とは?
自動車・トラック・船・航空機など、すべてのエンジニアリングに関する標準化機構。
技術者・企業役員・教育関係者や学生などを会員としており、
2006年時点では世界100カ国、約9万人の会員を有している団体です。

自動運転のレベル

現在、自動運転レベルについては、搭載される技術によって0〜5までのレベルに分けられています。

自動運転車が事故を起こしたときに誰が責任を取るのか?という心配がありますが現在はレベル2と3の間で区分けがされています。

自動運転レベル2までが運転支援という位置づけで「運転者(ドライバー)」に事故の責任があり、
自動運転レベル3以上が自動運転という位置づけで「自動運転システム」に事故の責任が発生します。

現在、国内ではレベル2までが市販車に採用され、実用化が進んでいます。
現在搭載されているADAS技術はあくまでも運転手を支援する機能ということで事故を起こした際の責任はドライバー側にあります。

一方レベル3以上は基本的にドライバーの操作が必要がないため、事故の責任は自動運転システム(クルマ)側になると言われています。

ZMPでも、自動運転の走行試験はドライバーが乗車し、異常時は操作をドライバーが引き継げるようにレベル3相当の体制で実施していますが、現状の法整備では、そういった自動運転車両の走行時にはドライバーがあくまでも自己の責任を取る必要が発生するという状況です。

そのため、自動運転レベルレベル3以降の実用化は、政府を中心に法整備(事故時の責任の明確化など)やインフラの整備も必要となります。

自動運転レベルの詳細については下記にて説明をしておりますのでご覧いただければと思います。

4. 自動運転の法整備

日本政府は、東京五輪の2020年をメドに高速道路でレベル3、限定エリア内での完全自動運転であるレベル4の実用化を目標に掲げ自動運転の法整備については、現在日本でも法整備を積極的に行っています。

2019年3月8日に、現在道路交通法(道交法)と道路運送車両法の改正案を行いました。
その新しい変更として、自動運転の「レベル3」を念頭に、スマートフォンや携帯電話の操作などが可能になります。この状況で気を付けないといけないことは、あくまでもレベル3の状態では自動運転中も、ドライバーには安全運転義務が課されるため、自動運転システムが走行不可能な際にシステムの引継ぎを促す警告音の無視や、居眠りをして交代要請に応じなかった結果、事故を起こせば、刑事責任が問われる可能性があります。

そのため、自動運転システムによる走行中はほかのことを行っても大丈夫かもしれないが、システムの引継ぎがどれだけうまく行われるのか、また事故時にはシステムの引継ぎに問題はなかったのか自動車メーカーとドライバーの責任の線引きが難しい可能性もあります。

そのため、あるメーカーでは自動運転システムについてはレベル2とレベル4の2本柱で進めるのが実用化に向けては現実的なのではないかという主張もあるようです。

また、たとえ自動運転の技術が発達したとしても、社会の受容性や法律の問題が解決しなければ、自動運転技術が幅広くひろがることは難しいと考えられています。

 ・社会の受容性

ここでは、「完全自動運転車が人々にどう取らえられているか」をご紹介します。

完全自動運転化した時の社会受容性は国々よって異なっています。
データは2017年のものですが、日本においては「安全ではないと感じている」消費者が多い一方で、中国では「安全ではないと感じる」率は比較的低い結果を出しています。

ZMPでは自動運転の社会受容性向上に向けて実証実験を続けています。

2018年8月27日~9月8日かけて実施しました、大手町~六本木の実証実験については、約2週間にわたり走行を実施し、世界初の自動運転タクシーの営業運航を実施いたしました。

乗車したお客様のコメントとしては、搭載されているセンサーを活用して安全に走行し、安心して乗車できた。最初は心配していたが、走行しているうちに普通の車に乗っているような感覚になったといったコメントをもらっています。

今後も自動運転車両を社会で走行させていくにあたり、様々な取り組みが必要と思いますが今後も継続的に取り組みを行く必要があります。

自動運転の技術・社会受容性の向上とともに、法整備についても解決しなければならない事項です。

また、法整備だけでなく人が運転する車両と自動運転車両が走行する交通ルールや走行への啓蒙活動、事故における保険や保証、道路側での自動運転車両に対する対応など政府や民間が共に自動運転社会の実現に向けて取り組むべき項目は様々存在します。

特に、自動運転ではトロッコ問題という議題が議論されており、事故が避けられなくなった場合に自動運転車は乗客を犠牲にしてでも歩行者の命を守るべきなのか、それとも歩行者よりも乗客の命を優先するべきなのか。制御アルゴリズムに倫理的な考慮が必要なケースも発生することが考えられます。

こういった、誰の命を救うべきかという自動運転車が抱える「トロッコ問題」についての研究も開始されています。

5. 実用化時期とアプローチ

ここでは自動運転技術を開発する自動車メーカーや電機メーカー、その他関連企業の自動運転技術の開発段階や完全自動運転技術の実用化時期などの各社アプローチについて紹介します。

5-1.日本企業

1. トヨタ自動車
トヨタ自動車では、2020年ごろの実用化を目指し、開発中の自動運転実験車「Highway Teammate」を使い、首都高速道路での合流、車線維持、レーンチェンジ、分流を自動運転で行う実証実験を実施中です。

2. ホンダ
ホンダは、自動運転の領域でGMと提携し、3000億円規模を投じて技術開発を行うというニュースがありました。ホンダはGoogleとも連携しており、外部のリソースを活用し、開発を進めていくようなアプローチなようです。

3. 日産
日本での自動運転というと、日産自動車のイメージが強い気がしますが、日産ではリーフやスカイラインを開発車両にして自動運転を開発、電動化車両を中心にしてテストを行っているようです。日産のウェブサイトでは、2020年以降の実用化を目指した最新の自動運転実験車両の公道テストの模様が公開されています。また、自動駐車やオートパイロットなど一部自動運転技術を積極的に車両に取り組んでいる企業です。
完全自動運転に向けた取り組み

5-2.海外企業(欧州・米国)

1. GM
GMは自動運転車両の量産へ他の企業よりも早く取り組んでいるようで、自動運転車両クルーズの量産開発を行っています。GM、ホンダ、GMクルーズの3社は「自動運転技術を活用したモビリティの変革」を共通のゴールに定めて協業をスタート。さまざまな使用形態に対応可能なクルーズの無人ライドシェアサービス専用車を開発していくほか、無人ライドシェアサービス事業をグローバル展開させる可能性も視野に入れ、3社合同で進めていく方針です。また、GMでは2019年にハンドルもペダルも無い車を投入するとアナウンスしています。

2. メルセデス・ベンツ
メルセデス・ベンツでは、混雑した都市部における人と貨物の運輸の未来を担うコンセプトカーを発表しています。このVisionシリーズとして自動運転の車両シリーズを公開し、9月にVision Urbaneticと呼ばれる全電気自動運転車を発表しています。この車両は、カプセルのようなトースターのような角丸のトラックボディーをコガネムシないしオートバイのフルフェイス・ヘルメットのような乗員輸送用のボディーにリアルタイムでスイッチできる。

自動運転車コンセプト「Vision Urbanetic」=出典:メルセデス・ベンツ社プレスリリース

3. BMW
BMWでは自動運転の開発を進めており、人工知能(AI)を活用した自動運転の開発を進めているようです。海外の自動車メーカーとして初めて、自動運転車の公道テストの認可を取得し、バイドゥの推進する自動運転開発プロジェクトに参加することを発表。今後を見据えて同レベル3、さらにはレベル4/5の実現に向けたプラットフォームを開発し、自動運転開発プロジェクト「Apollo(アポロ)」を現在進めているバイドゥとの提携により、実用化に向けて開発を進めていくようです。

4. アウディ
アウディは、市販車への自動運転技術の適用を積極的に行っている自動車OEMで、15年以上も前から将来の自動運転社会を見据えて研究・開発をスタートし、着実に実績を積み重ねています。その技術は市街地から高速道路、サーキットの限界走行まで、どんな状況でもクルマがドライバーの負担を軽減し、安全に走れるシステムを目指し開発をしています。他社との違いは極限の走行でも自動運転で走行できる点を追及、サーキットにおいてもプロドライバー並みのパフォーマンスを発揮する実験車なども実現しています。

https://www.audi.jp/piloted_driving/
出展:Piloted Driving - Audi がリードする自動運転の世界 -

5. Google(Waymo)
もともとGoogleのプロジェクトがスピンアウトしてWaymoが登場しているが、Waymoは公道走行を公表値上どこよりも実施している企業です。今後の開発予定については明らかにされていないものの、AI技術を活用するため走行テストを重ね、より安全なドライバーモデルの構築を目的としているようです。
6. フォード
フォードは2021年にドライバーが必要のない車両の完全自動運転車両の商用サービスの開始を検討しています。そのために、様々な技術への投資やパートナーシップを進めています。その協力研究先としてVelodyne, SAIPS, Nirenberg Neuroscience LLC, Civil Mapsなど各社と連携しレベル4相当の自動運転車両の実現を目指しています。
7.テスラ
テスラはカメラを活用した全周囲360°モニタ技術と12個の超音波センサーを活用したセンシング技術を使った自動運転技術の実現を目指しています。最近では、自動運転中の車両が交通事故を起こしたというような情報も見られますが、既存の車両に自動運転システムをそのまま搭載できるオプションを提供しており、自動運転技術が確立されれば、OTA技術を使った普及は早いのではないかと考えられます。
8. Uber
フードデリバリーサービスで有名なUberですが、自動運転の開発においても有名な企業です。一時は自動運転中の死亡事故により、公道での走行テストを中断していましたが、安全性を高める取り組みを行い2018年12月よりピッツバーグ州での走行テストを再開しています。UberはVolvoとの共同開発を進めているようで、Volvoの安全基準に応える自動運転制御が実現できればより多くの人が安心して使用できる自動運転車になる可能性を秘めています。

5-3 海外企業(中国)

1. Roadstar.ai
レベル4相当の自動運転制御の実現を目指すRoadstarは、LiDARやカメラ、レーダー、GPS、IMUなどの複数のセンサーを同期してフュージョンする技術に強みがあり、ロバスト性の高い多次元のデータを元に自動運転制御を開発しています。Roadstarが開発する自動運転ソフトウェアAriesは、雨天や夜間の自動運転で誤差5センチでのローカライゼーションや走行可能領域や人や車両、信号などの画像認識技術を持っているといわれています。実際にWebサイトには深センの公道での倍速編集された走行動画が公開されています。
2. Pony.ai
Pony.aiはシリコンバレーと深センに拠点を持つスタートアップ企業です。2017年7月に完全自動運転のデモンストレーションを実施しています。また、PonyAlphaというセンサーの搭載冶具を車両の上部に設置した車両を複数台製造し、フリート走行を今後実施していく予定のようです。
Pony.aiのセンサー搭載車両

6. ZMPの自動運転実用化へのアプローチ

ZMPでは、2020年自動タクシーの実用化を目指し、自動運転車の開発に取り組んでいます。2018年8月には世界初の自動タクシーの営業走行実証実験を実施し、サービス実用化に向けて開発に取り組んでいます。

ZMPでは、モビリティとサービスを組み合わせたMaaS(Mobility as a Service)に自動運転を活用したいサービス事業者等へ、サービス開発や検証にむけた自動運転システムを「自動運転プラットフォーム」として提供しています。

乗用車のみに関わらずあらゆる移動体を自動化に積極的に取り組んでおります。サービス事業者の創造する自動運転サービスを実現するため、これまで開発してきた自動運転にかかるシステムを、MaaSの商業化を目指す事業者へ「自動運転プラットフォーム」としてご提供しています。

詳細は下記ページをご覧いただければと思います。
https://www.zmp.co.jp/product/maas-customize

7. お問合わせ・資料請求

上記に関する問合せ、資料請求などについては下記よりご連絡いただければと思います。
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